ヨガのレッスンで「呼吸をお腹に入れて」とか…聞いたことありませんか?
空気は肺にしか入りません!「お腹に入れる」とはあくまでもイメージのお話です。
肺は自ら空気を出し入れして伸びたり縮んだりするように思われがちですが、実際はそうではありません。肺そのものに自動的に動く仕組みはなく、間接的に伸ばされ空気がはいり(陰圧)、縮んで空気が出ていく(陽圧)のです。
呼吸に使われる筋肉
腹式呼吸
横隔膜と呼ばれる肋骨の底にあるシイタケみたいな形です。それが収縮することで引きさがり空気が入り弛緩することで空気が出ていきます。
胸式呼吸
アバラの間の筋肉や首や肩まわりの筋肉を収縮させることで空気が入り、弛緩すると空気が出ていく。
その他に補助的に呼吸を助けているのがいくつかありますが呼吸をするためのメインの筋肉が機能してない状態だと使わらざるおえなくなります。
主動筋がつかえない(補助的な筋肉をメインに呼吸)→呼吸が浅くなる→酸素が不足する→回数がふえる→呼吸補助筋の働きが増加する。
呼吸補助筋の働きが増加する事で、首や肩の筋肉で常に筋トレをしているようなもなので疲労や肩コリにつながります。
質のいい深い呼吸をする第一歩としてまずは吐き切ることです。
できるだけ空気を外に出すことであたらしい空気をたくさん吸いこめるスペースを作ります。吐き切るためには腹斜筋で肋骨を引き下げることもポイントになってきます。腹斜筋の筋力が少ないと肋骨が前方に出っ張ったようなった状態になり横隔膜の動きが妨げられ吐き切ることができません。ですから肋骨のポジションが大事ということです。
吐き切れていない状態でたくさん吸おうとして肩をひきあげてもスペースが少ないのでたくさんは入ってこないうえに首や肩の筋肉をつかって悪循環に…
自律神経にもアプローチ
自律神経とは交感神経と副交感神経の相反する働きの二つの神経から成り立っています。
血管の収縮や内臓の働きなど生命維持にかかわる機能をコントロールしていて、交感神経(闘争・逃走)は活動・緊張・ストレスといった状態にある時、とくに昼間に優位になります。一方、副交感神経(リラックス)は休息やリラックス状態にある時、とくに夜間や睡眠中に優位になります。
どちらか一方が優位な状態が長く続くことが必要に応じてスムーズに切り替わることがバランスのとれた状態です。バランスの乱れた状態では倦怠感や不眠、動悸や頭痛、不整脈、食欲低下といったさまざまな不調が生じてしまいます。この自律神経の交感神経と副交感神経のバランスをとることが健康のカギといえます。
どちらか一方が優位な状態ではなく、必要に応じてスイッチが切り替わる事が大切です。
呼吸と自律神経
自律神経は私たちの意思とは無関係に働いています。それを意識的にコントロール出来るのが呼吸です。私たちはふだん無意識に呼吸をしていますが、呼吸の速さや回数を意識的にコントロールすることはできます。
実際に、長くゆっくりと息を吐く事で、副交感神経を刺激する事ができる。つまり、吐く息に意識を置いた呼吸を行うと、副交感神経の働きを高めることができ、交感神経とのバランスがとれるというわけです。
呼吸を整えること(深い呼吸)で自律神経のバランスを整える → 結果カラダと心を整えられる
アーサナでカラダを動かして必要な筋肉をほぐしたり鍛えたりして悪循環を断ち切って、無意識レベルで24時間質の良い深い呼吸をめざしましょう。